久しぶりのメイキング!
春に作った複製原画「SPICA」を解説していきます。
悩みながら描き上げました。
まず前提として、20周年記念画集の表紙の服装でくるみとしずくを
描こうと思いました。↓がその表紙イラスト。
ちょっと服装が細かすぎるのでちょっとは省略しようと思います。
この二人を一枚にまとめるのは大変です。
複製原画のラフです。
しずくが手で掲げているのはリンゴの花とリンゴの実のモチーフです。
複製原画を手に入れた方は「これなんだろう?」と
思われた方もいると思います。
りんごの花は処女性を表していて、りんごの実は母性や永遠の性の象徴
みたいなものを表しています。
まさしく、しずくとくるみの対比ですね。
更に、処女性はリボンを締めておくことで、
性の対象は花びらが開放的に舞うというイメージも合わせています。
20周年記念画集のキャラデザを有効活用しました。
くるみがちょっと妖艶な仕上がりになっているのはそういう事でもあります。
基礎塗り。パーツのグラデや柄なんかも僕の中では基礎塗りの範疇です。
最終的に、手前にきているパーツはボカす予定なので、別レイヤーで塗っています。
1影。リンゴのモチーフを光らせる予定なので、
モチーフに近いところは、そこが光源になるように塗ります。
くるみはほとんど影ですね。そこも狙いです。
星の夜空は過去絵から一部持ってきて、足りない部分を塗り足していきます。
雲の塗りでもやる伝統の継ぎ足し塗りです。
2影、3影、グラデ、覆い焼きハイライト、
通常ハイライト、照り返しなど、一通りの工程です。
暗くするべき箇所は更に暗く、明るくするところは更に明るくするなど、
絵に合わせて色々な調整もしています。
最後にりんごを光らせる! フレアをこれでもかと被せる。
手前のものをボカして、くるみを更に暗くして下の方の黒いシルエットが
浮き出るようにしました。
複製原画として出力されたものは鮮やかさや精度が高く、
とてもきれいに、イメージ通りにできたと思います。
自分で黒い額縁を選ぶ時がくるとは思いませんでした。
この絵はそういう絵だよね。
この服装で描いたE☆2 フロンティア11号もよろしくね。
最近はわけあって冬コミの作業を前倒して今やっています。
だから確実に出せるはず…!
お仕事は前後に動くことがあるよね。
20年で身に着けた一番のスキルはスケジュールバズルかもしれません。